よぶこえの引き出し

【伝導】2020・3・3

2020年03月03日

《伝導》
我が家には、
いろいろな伝導の方々がおいでになります。

出かけるところだったり、
体調がすぐれなかったり、
急ぎの仕事があったりの以外は、
最後までお話を聞くようにしてます。

その方々の語られる教えに興味があるからではなく、
私は、
その教えを語られる方々に興味があります。 

ときに、
異論をさしはさんだり、
ときには、
質問攻めにすることもあります。

でも、
自然消滅するまで、
その方々は、
玄関においでになります。

玄関を開けた時の、
そういう方々の表情に興味があります。

このことを語ろうと決めておいでになった、
その日の教えを語る時の、
そういう方々の語り口に興味があります。

帰り際の、
そういう方々の立ち居振る舞いに興味があります。

私は、
これまでも、
これからも、
どこまでも、
不信心の人です。

だから、
そうでない人に興味があるのでしょう。


昨日、
おいでになった方々が置いていかれた冊子、
「倫風」4月号の新連載は、
「四季の万葉 万葉の四季」でした。
文 :上野 誠
写真:牧野貞之

「万葉集」巻八の1456、
藤原博嗣の歌が紹介されています。
  この花の
  一(ひと)よの内に
  百種(ももくさ)の
  言(こと)ぞ隠(こも)れる
  凡(おほ)ろかにすな

訳が添えてあります。
  この花の
  一よの中に
  百種の
  言葉がこもっているのだぞ
  粗末に扱ってくれるなよぉ・・・

こんな解説が続きます。
  男は、
  桜の花を手折って、
  女に言い寄る。
  この桜の「一よ」の内に籠っている言葉を感じ取ってほしい、と。
  「一よ」が何を指すか、
  解釈が難しいところだが、
  今は、
  「一枝」と考えておこう。
  その「一よ」とは、
  「一夜」に通じているので、
  一夜を共にしたいということになる。
  桜の花は、
  人の心を狂わせるというが、
  この一首を読むと、
  なるほど、
  と頷いてしまう。

上野誠さん、
奈良大学文学部教授だそうです。
専攻は万葉文化論。
著書は、
『万葉挽歌のこころ 夢と死の古代学』など多数。

万葉集には、
さほど興味はありませんが、
万葉集文化論の立場から、
歴史学・民俗学・考古学を応用した「万葉集」の読み方には興味津々です。

そして、
こういう解釈をなさるの著者に、
それ以上の味があります。


最後に、
誤解がないように書き添えておきます。

上野さんが、
実践倫理宏正会と関わりのあるかどうか、
私はわかりません。

また、
実践倫理宏正会の方々は、
自分たちは宗教団体ではなく、
社会教育団体だと主張しておられます。


《一の桜》

【伝導】2020・3・3
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