【天与】２０２０・３・８

《天与》
昨夜、
問題集を解いていたら、
こんな一節に出会いました。
　　施肥が充分で、
　　栄養状態のいい茶の木には、
　　花がほとんど咲きません。

　　花は、
　　言うまでもなく、
　　植物の生殖器官、
　　次の世代へ生命を受け継がせるための種子をつくる器官です。

　　その花を、
　　植物が準備しなくなるのは、
　　終わりのない生命を幻覚できるほどの、
　　エネルギーの充足状態が内部に生じるからでしょうか。

　　施肥を打ち切って放置すると、
　　茶の木は再び花を咲かせるそうです。

　　多分、
　　永遠を夢見させてくれないほどの、
　　天与の栄養状態に戻るのでしょう。

出典は、
吉野弘「茶の花おぼえがき」

昨夜は、
よく降りました。

今朝は、
しずかにしずかに降っています。

庭は、
天与の雨が降り、
天与の花や、
天与の蕾が、
天与の濡れ方をしています。