【逆説】2020・3・11
2020年03月11日
《逆説》
今日、
高校生と一緒に解いた問題文は、
光原百合「ツバメたち」の全文でした。
設問とは別に、
この小説の主題は何だろうと、
それが気になりました。
おそらく、
「全ての善行には偽善の匂いがする」
・・・のようなことかと思います。
小説の末尾を引用します。
それでも、
もしまた渡りの前にあの町に寄って、
「幸福な王子」の像を見たら、
聞いてしまうかもしれない。
あなたはただ、
自分がまとっていた重いものを、
捨てたかっただけでありませんか。
そして、
命を捨てても自分の傍(そば)にいたいと思う者がただひとり、
いてくれればいいと思ったのではありませんか・・・と。
主題とは別に、
私はこういう言い方が好きです。
たとえば、
「どんなに小さな別れも永訣の兆しが潜んでいる」
言ってみれば逆説の言い方です。
言い方を変えればパラドックス・・・です。
《水面(みなも)》
雨の日の水面。