よぶこえの引き出し

【日々の子どもたち】2020・3・18

2020年03月19日

《日々の子どもたち》
年末に買った本。

毎日一つずつ、
ユニークな世界史が綴られています。

その本が、
『日々の子どもたち』(岩波書店)です。
エドゥアルド・ガレアーノ:作
久野量一:訳

「あるいは366篇の世界史」という副題が付いています。

本の帯に、
こんなことが書かれています。
  埋もれつつある小さな、
  そして人間的な
  〈歴史〉に向けられた、
  著者の厳しくあたたかい
  眼差しをたどる
  三六六日、
  一日一話。

大事に大事に読んで、
たくさん読む日もあれば、
何日も読まない日もあって、
昨夜、
4月30日が終わりました。

どんな本か、
詳しくは述べないことにします。

それを言ったら、
これから読もうとする人の、
興味関心を邪魔してしまうような気がするからです。



興味が湧くように、
チラッと引用します。

たとえば、
昨夜の一節は・・・
4/18
  私の唯一異常なのは、
  好奇心だけだ。

4/27
  そして貧しい女性たちを牢獄か墓場に追い込んだのである。

4/30
  500人以上の子どもが戦利品として分配された。


これまで読んだ中で、
強烈に心惹かれた日の“世界史“を引用しておきます。


2/20「社会主義の日」
  19世紀末、
  ファン・ビオ・アコスタはブラジルに近いウルグアイ国境に住んでいた。
  仕事のために、
  あの隔絶された地域で村から村を行ったり来たりしていた。
  馬車での移動だった。
  一等席、二等席、三等席に乗る8人の乗客と一緒だった。
  ファン・ビオはいつも一番安い三等席の切符を買っていた。
  料金に差があるのはなぜか、
  いっこうにわからなかった。
  多く払う人も少なく払う人も、
  全員同じ条件だった。
  押し合いで、
  埃(ほこり)を食べて、
  揺れは止まらない。
  ある冬の悪天候の日、
  馬車が泥にはまって動けなくなって、
  なぜなのかがついにわかった。
  そのとき御者は命じたのだ。
  「一等席の方、動かないでください!」
  「二等席の方、降りてください!」
  「で、三等席の方が・・・押してください!」


4/21「怒れる者」
  それは2011年の今日の夕方、
  スペインはラ・リオハの村で、
  聖週間の行列のときに起きた。
  群衆は静かに、
  ローマの兵士に鞭を打たれるイエス・キリスト像の山車(だし)に付き添っていた。
  すると、
  声が沈黙を破った。
  父に肩車をされたマルコス・ラバスコが、
  鞭を打たれている男に怒鳴ったのである。
  「やり返せ! 反撃しろ!」
  そのときマルコスは2歳4か月と21日だった。

今年一番の、
知的好奇心をそそられる一冊に出会いました。 

【日々の子どもたち】2020・3・18
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