【二首】2020・3・24
2020年03月24日
《二首》
今週の紙上歌壇から、
その思いや趣が、
どことなく相通ずる二首を選びました。
書き写して、
ああ、いい着眼だなと思ったり、
ああ、深い感慨だなと思ったり、
ああ、同感だなあって思ったり、
思ったり思ったりしました。
朝日歌壇
質問の途中で打ち切る会見を見ながら励む休校準備 (西条市)村上敏之
教職を離れる妻に休校は最後の授業まぼろしとする (柏市)菅谷 修
読売歌壇
カレーパン揚げたてですと替へくるる研修バッジが光る朝春 あきる野市 小林隆子
〈希〉か〈生〉かを迷ったという母のいて ときどき想う真生子の人生 平塚市 小林真希子
毎日歌壇
行司ってこんなに通る声なのか無観客相撲にて思うなり 登別市 松木 秀
昼どきの番組消せば さはさはと加湿器の音かたはらをゆく 東京 恩田紀子
山陰文芸
外出のかなはぬ吾に庭先の蝋梅ひと枝 夫持ち来る 出雲 新宮紀子
枕辺に置く砂時計見ておりぬ さらさらと病む身に早し 松江 松岡治恵