よぶこえの引き出し

【うた】2020・4・23

2020年04月23日

《うた》
タイトルは「一歩」
出典は朝日新聞「朝日歌壇」

  楽しいかさみしいかさえわからない人生初の一人暮らしは (富山市)松田わこ

  「10年後の理想のあなた」たずねられ言葉をさがす一次面接 (富山市)松田梨子


タイトルは「マスク」
出典は讀賣新聞「読売歌壇」

  コスモスの刺繍ほどこし花束のようなマスクを嫁から貰う  岩国市 須山佳代子

  マンションのエレベーターに乗りたれば顔なき声なきマスクとマスク  土浦市 瀬古沢和子



タイトルは「こころのひだ」
出典は毎日新聞「毎日歌壇」

  バイトして世の理不尽に対面し娘(こ)は正論の頼りなさ知る  松戸市 花嶋八重子

  再読し二十歳の頃は見落としていたこと数多(あまた)小説「ペスト」
                              ひたちなか市 衛藤美波


タイトルは「投函」
出典は山陰中央新報「山陰文芸」

  投函のあくる日わが家に戻りたる一円不足の寂しき封書  安来 岩田絹子
 
  今週もどうにか短歌投函す受験の子供送る思いに  米子 倉井正喜


《御詠歌》
仏壇の前の経机に、
妻の家の宗派の「臨済宗妙心寺檀信徒経本」と、
私の家の宗派の「修証義」と、
鎌倉で買って帰った「観音霊場勤行式」が、
並べて置いてあります。

その中の「観音霊場勤行式」に、
「坂東三十三観音霊場御詠歌」が収められています。   

【うた】2020・4・23


  

   

タイトルは「掛詞」
出典は「三十三観音霊場御詠歌」

  深きとが今より後はよもあらじ つみ浅草に参る身なれば  第十三番 金龍山 浅草寺
*「罪が浅く」と「浅草寺」


  このほどはよろずのことを飯沼にきくもならはぬ波の音かな  第二十七番 飯沼山 円福寺
*「言ひ」と「飯沼」 

ページトップへ