よぶこえの引き出し

【あまりにも】2020・4・28

2020年04月28日

《あまりにも》
今、
新型コロナウイルスが引き起こしていること、
私はまだよくわかっていません。

新型コロナウイルスそのものが、
いったいどんなものなのかさえ、
私はよくわかっていません。

なので、
今、
世界で、
どうしてこんなことが起こっているのか、
日本がどうなってしまうのか、
そういうことも、
私はよくわかっていません。


あまりに、
情報が断片的で、
「専門家」と言われる人が、
あまりに多くて、
いったい誰の言うことが、
本当の専門家の責任ある見解なのか、
私はよくわかっていません。


昨日の、
「山陰中央新報」
「山陰総合」
「コロナ禍に生きる」
「各界の専門家に聞く」

今回の「専門家」は、
慶応大学法学部の、
細谷雄一教授(国際歴史学)

この人の、
「元の社会や秩序 戻らぬ」を読んで、
今まで分からなかったことが、
少し分かってきたような気がします。

冒頭と末尾を引用します。

  歴史を大きく転換させたパンデミック(感染爆発)に、
  中世ヨーロッパで流行したペストと、
  20世紀初頭のスペイン風邪がある。

  ペストは祈りの場で感染が拡大し、
  教会が権威を失った結果、
  宗教が中心だった社会が、
  国家中心に移行した。

  スペイン風邪は科学と医学の飛躍的な進歩と、
  後の世界保健機関(WHO)につながる国際協力の流れをもたらした。 



  元の世界には戻らない。
  歴史の転換や変化が、
  今まさに起きていることを認識し、
  「ニューノーマル」の社会を直視して、
  迅速に対応することが重要だ。



「ニュー・ノーマル」
もともとは、
2007年から2008年にかけての、
世界金融危機や、
それに続く2008年から2012年にかけての、
大景気後退の後における、
金融上の状態を意味する表現だったそうですが、
今では、
金融や経済に限らず、
様々なところで使われるようになり、
一般的に、
  かつては異常とされていたような事態が、
  ありふれた当然のことになっていること。
を意味するようです。


今、
異常事態の中で、
仕方なく強いられていることの多くは、
この事態が収束あるいは終息したときには、
ありふれた光景になってしまうのだろうと思います。

  3・11の前と後で、.
  自分の生き方が全く変わらないのは、
  人間として、
  あまりにも鈍感すぎる。


あのころ、
繰り返し繰り返し、
いろんな場所で言い続けた言い方を借りるなら、
今は、
こう言いたいと思います。

  2020を境にして、
  自分の生き方が全く変わらないのは、
  人間として、
  あまりにも蒙昧すぎる。
 

2011年は感性の問題でしたが、
2020年は知性の問題だと思います。

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