【庭の木々が】2020・5・12
2020年05月13日
《庭の木々が》
どこにも行かず、
だれも来ず、
でも、
庭の木々は、
知らないうちに夏を連れて来ていました。
《ペスト》
買ったものの、
なかなか読む気が起こらなかったカミュ、
カミュの『ペスト』
『ペスト』の冒頭。
この記録の主題をなす奇異な事件は、
194*年、
オランに起こった。
そして、
いよいよ物語が始まります。
四月十六日の朝、
医師ベルナール・リウーは、
診察室から出かけようとして、
階段口のまんなかで、
一匹の死んだ鼠につまずいた。
その日の夕方、
アパートの玄関で、
またまた鼠を見つけます。
毛の濡れた大きな鼠でした。
鼠は立ち止まり、
ちょっと体の平均をとろうとする様子だったが、
急に医師のほうへ駆け出し、
また立ち止まり、
小さななき声をたてながら、
きりきり舞いをし、
最後に半ば開いた唇から、
血を吐いて倒れた。
医師はいっときその姿をながめて自分の部屋へ上った。
翌日の朝、
門番が、
通りかかった医師を引き止めて、
死んだ鼠が三匹も見つかったと訴えます。
でも、
その時はまだ、
門番は誰かが「悪ふざけ」で、
鼠を置いていったと思っています。
でも、
何かいわくありそうな気がして、
リウーは、
患者のうちでいちばん貧しい人たちの住んでいる、
外郭の地区から往診を始めることにした。
彼は、
そこでも投げ捨てられた鼠の死骸を12匹ほど見つけます。
ここから、
彼と、
見えない敵ペストとの戦いが始まります。