【直接的表現】２０２０・５・２０

《直接的表現》
今週の紙上歌壇から、
直接的表現を拾いました。

朝日歌壇　
　唐突にコロナ離婚がわかるわとピアノに向かう休日の妻　（伊賀市）上門善和

　弔いは生者のためのものなりとしみじみ思ふコロナ死に触れ　（さいたま市）伊達裕子

　面会の出来ぬコロナ禍病室の夫仰ぎ見る傘横向けて　（大阪市）玉利淑栄

　コロナ禍で読経後すぐに若和尚マスクを着けて客に茶を出す　（三原市）岡田独甫

　ＡＩは囲碁も将棋も負かすのに新型コロナに打つ手明かさぬ　（香芝市）中村敬三

　ウイルス禍の街はマスクに牛耳られ忘れがちなる口紅悲し　（茅ケ崎市）岡田みいこ

　コロナ禍でライトアップはみな中止スーパームーンが夜桜照らす　（山陽小野田市）秦　一憲


読売歌壇
　ウイルスに感染しているこの星を大きな月の光が照らす　　所沢市　藤野寛己


毎日歌壇
　コロナ禍の日々にも空を舞うつばめ老人施設の窓近くまで　　川越市　石田浩二郎

　めぐる日々一瞬どれも輝きてコロナ禍さ中でさへも愛（いと）ほし　　東京　内田恵子


山陰中央新報
　障子越しコロナのニュースよそに聞き陽だまりの中とろとろ眠る　　浜田　児玉章吉


歌壇の色合いを感じます。
投稿者の意識？
選者の価値観？