よぶこえの引き出し

【ググる】2020・6・14

2020年06月14日

《ググる》
一昨日から、
津村記久子『この世にたやすい仕事はない』(日本経済新聞出版社)を読んでいて、
こういうと言葉があったんだ!
とか、
予想はつくけれど?
とか、
なぜだろう?
とか、
調べてみるもんだなあ!
とか思う言い回しが多々ありました。

たとえば「ググる」
  めっちゃありがとうございます!!
  帰り道でググります。

おそらくGoogleで調べることだろうな・・・と思いつつ、
それこそググってみました。
  ググるのググはGoogleのこと。
  Googleで検索することを、
  誰かが「ググる」と言い出したのがはじまりで、
  元の単語と発音が似ていて、
  短くていいやすいことから、
  一気に普及しました。

ベストアンサーは更に続けて、
こんなことものたまわっています。
  では、
  似たような省略系のネット用語をいくつか見ていきましょう。

  ふぁぼる:お気に入りに登録する。
   英語だと「お気に入り」は “favorite“、
   頭の“favo“をローマ字読みして動詞化する→“ふぁぼる“

  リア充:リアル(現実の生活)が充実している→リア充
   もともとネット社会に対して、
   現実社会を指す「リアル」をもじって作られた造語。
   リアル(現実の生活)が充実していないからネットにはまる、
   という状況を自虐的に表現したという点がユニークです。
   リアルが充実しているとは、
   主に恋人がいる、
   友だちが多いなど、
   楽しい日々を過ごしている状態を指します。

などなど、
まだまだ延々続きますが、
このあたりでやめておきます。
ネットにはまりそうなので・・・。


たとえば「訴求」
  その後、
  私はますます山本山江の購買事情に訴求されるようになり、
  もはや自ら欲しいものをチェックすることもなくなってしまった。

「訴求」をググる
  宣伝、広告などで、消費者が買う気を起こすよう訴えかけること。


たとえば「下山を焦って沢伝いに降りるのはやめましょう」

「沢を下る」ググる。
  山道で迷ったら絶対に沢に降りてはいけなう理由。
  迷ったら沢を下るな! 尾根に出ろ!
  沢に降りることの危険を学ぶ。
などなどたくさんヒットします。

説明も多岐にわたりますので、
要点のみ引用します。
「沢」とは「谷」のことなので、
  視界が悪くなる。
  携帯の電波が入りづらくなる。
  日照条件が悪くなる。
  捜索隊に発見されづらくなる。
  落石の危険に晒(さら)されやすくなる。
  GPSが測位しづらくなる。

・・・なるほど。


たとえば「二重拘束」
  帰りの廊下で、
  「少しお休みになったらどうかしら」と、
  「頼りにしておりますわね」は矛盾する、
  と気が付き、
  喉に何かが詰まるような感触を覚えた。
  
  どちらが真意なのか。
  どちらも真意ではないのか。
  なんとなく言っただけなのか。
  それとも、
  いわゆるひとつの二重拘束なのか。
 
「二重拘束」をググってみる。
  「ダブルバインド」の漢語的表現
  矛盾するメッセージ状況に置かれること。
  一例として、
   親が子どもに「おいで」と言語的に言っておきながら、
   いざ子どもが近寄ってくると、
   逆にどんと突き飛ばしてしまう。

  呼ばれて無視すると怒られ、
  近寄っていっても拒絶される。
  子どもは次第にその矛盾から逃れられなくなり疑心暗鬼となり、
  家庭外に出てもそのような世界であると認識し、
  別の他人に対しても同じように接してしまう。

こういう子どもは、
次のような症状が現れることが多いと書いています。
 *言葉に表されていない意味にばかり偏執する。
 *言葉の文字通りの意味にしか反応しなくなる。
 *コミュニケーションそのものから逃避する。

「思っていることを忌憚なく言ってください」と言われて、
会社の不満を口したら、
「そんなことを言うな」と叱責される。

「おまえの行たい学校に行ったらいい」と言われて、
行きたい学校名を親に告げたら、
「そこは学費が高い」とか、
「お前の学力ではとてむ無理だ」とか言われてしまう。

「自分の将来だから自分の夢を実現すればいい」と言われて、
「歌手になりたい」と言ったら、
「そんな夢みたいなこと言うな」とか、
「それは趣味にしておけ」とか担任の教師から言われる。


というようなことだそうです。

ちなみに、
「ダブルバインド」という語は、
アメリカの文化人類学・精神医学の研究者、
グレゴリー・ベイトソンによる造語のようです。


全五話のうち、
まだ第三話までしか読んでいませんが、
小説の展開とは別のところで、
いろいろ学ぶことが多い。



そういえば、
「ネットサーフィン」という語もありました。
  家に帰って自分の時間になっても、
  えんえんとネットサーフィンをしながら、
  これはネタになるんじゃないか、
  いや、
  項目の数が作れないからだめか、
  こっちはいけそうなんだけど、
  十歳には難しいかな、
  九十歳は顔をしかめるかな・・・、
  などとずっと考えている。

最後に、
「ネットサーフィン」をググっておしまいにします。

  ウェブページの閲覧において、
  各ページを興味の赴くまま次々に表示して、
  閲覧していく行動のこと。
  この様子を波から波へと渡るサーフィンに見立てた造語で、
  電位掲示板についても言える。

私も、
ついついネットサーフィンしていました。 

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