よぶこえの引き出し

【いいこと】2020・6・16

2020年06月16日

《いいこと》
今日の朝日新聞に、
こんな記事が・・・。

  さいたま市立の全市立学校168校で、
  15日の午前、
  児童・生徒計約10万人が、
  新型コロナウイルスに対応する医療従事者らに向け、
  全員が拍手する催しをした。

  市教委が、
  「感謝の意を表することとしたのでご協力を願う」として、
  全学校長に文書で実施日時や方法を通知していた。

ある小学校の高学年の教室では、
午前10時前、
「立って下さい」と校内放送があり、
社会科の授業を中断して、
約40人の児童が、
およそ30秒間、
一斉に拍手したのだそうです。

校長の言葉、
  医療従事者への差別が許されないことや。
  感謝することを理解してもらえば・・・

さいたま赤十字病院長のコメント、
  応援はありがたい。
  子どもたちによる「自分たちも頑張る」という決意表明だと感じた。

ある女性教員の意見、
  「感謝の気持ち」は指示されて生まれるものなのか。

小学1年生の娘を持つ母親の思い、
  言われたから拍手をしたという様子で、
  なぜしたのか理解できていないようだった。

さいたま市教委政策室のコメント、
  いろいろな意見があることは承知しているが、
  大変意義深い教育活動なので実施した。

関西学院大学の教育社会学教授の指摘、
  なぜ医療従事者は厳しい立場に置かれたのか。
  国の政策が不十分で感染症病床が激減したからではないのかなど、
  原因や背景を考えることが重要。
 
  様々な社会に関する情報を準備して、
  子どもたちが自分で学べるよう力を注いでもらいたい。


いいことなのです。
でも、
最近、
「いいこと」という名のもとで、
いろんな形の強制がなされているのを感じます。

理不尽な強制なら、
人は抗いもしますが、
「いいこと」には、
なかなか抗しきれない。

権力による強制と、
一般人による同調圧力、
なにかしら、
ひどく息苦しい時代であるような、
そんな気がしています。



芥川龍之介の言葉を思い出します。
  良心が道徳を作ることはあっても、
  道徳が良心をつくることはない。

石川啄木の「林中の譚」は、
21歳のときの文章だそうです。
  無垢の始めより、
  この世にありたるもの何なるべき乎。
というような文章なので、
道徳に関する部分のみ、
思い切って意訳します。
  真と美と生命は、
  何ものにも寄りかからないで、
  すべてから超越して存在するけれど、
  善(道徳)は何かによりかかってしか存在しない。
  たとえば、
  何かの行動したときはじめて、
  人はそれを善だとか、
  あるいは悪だとかいう。
  だから、
  道徳は人間が作ったものであり、
  人間によって壊されるものである。


そして、
もう一つ思ったことがあります。
  施しを受けるものは、
  いつも施すひとの傍らに立たされて、
  感謝の気持ちを言葉にさせられる。



《今朝の空》 

【いいこと】2020・6・16



《昨夕の空》 

【いいこと】2020・6・16
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