よぶこえの引き出し

【昨日いちばん良かったこと】2020・6・19

2020年06月19日

《昨日いちばん良かったこと》
「積ん読」の中から、
この一冊を読んだこと。

その一冊は、
「漢文教室」(大修館書店」の第206号。
2020年4月号。

【昨日いちばん良かったこと】2020・6・19



巻頭アンケートは、
「私の好きな中国古典」でした。

井波律子さん(国際日本文化研究センター名誉教授)は、
「論語」先進篇を挙げていました。
  この「論語」でいちばん長い章を習ったのは、
  何年生のときだったか、
  記憶は定かではない。

  しかし、
  孔子と四人の弟子が同席し、
  孔子が彼らに抱負をたずね、
  彼らがそれぞれ抱負を述べるという構成によるこの章には、
  演劇的な面白さがあると感嘆した記憶がある。

  とりわけ、
  曾哲(曾子の父)の語る解放感あふれる美しい夢に、
  いたく心を揺さぶられたのだった。


この文章に、
いたく心を揺さぶられたので、
二階に上がって、
「論語」を探し出して、
その箇所を広げました。

他の三人が、
政治向きのことについての抱負を述べる中で、
曾哲のみが、
「お三方が言われたようなことではないですが」
と前置きして、
こんなことを言います。
  春の終わりごろ、
  春の着物を着て、
  5、6人の青年と、
  6、7人の少年を誘って、
  川で水浴びをしたいものです。
  そして、
  彼らと歌いながら帰るのが私の夢です。

孔子は、
「ああ、それはいい」と賛成します。

いい話だなと思いました。

そして、
この話を、
中国古典に興味を持ったきっかけにあげた、
井波さんの感性を、

おそらく、
すてきな授業だったのだろうな・・・と思いました。

多感な年代に、
こうしたことに出くわしたこと、
人生の幸せだなって思いました。

これが、
昨日いちばん良かったことです。
ああ、いいなあと思いました。


午後、
雨の中、
バルザックとモームを届けてくださった宅配の青年が、
とても謙虚な人で、
心が洗われました。

それが、
昨日にばんめに良かったことです。



一日降った雨が、
夜になっても止まなくて、
夜の運動を堂々と休めたこと。

それが、
昨日さんばんめに良かったことです。 



《月照寺の紫陽花》
  

  

 

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