よぶこえの引き出し

【続・今日も雨音を聞きながら】2020・6・25

2020年06月26日

《今日も雨音を聞きながら》 
今日も朝から雨です。
ときに激しく、
ときに小止みに、
しかし、
止み間なく・・・。

昨日、
届けていただいた本、
早速、
読みました。

パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』(早川書房)

【続・今日も雨音を聞きながら】2020・6・25



著者はイタリアの作家だそうです。
発行は4月です。

感染真っ只中の2月から4月のイタリア、
そしてヨーロッパ、
さらに全世界の状況が、
的確な情報を集め、
想像力を駆使して、
鋭敏な発想で書かれています。

3月以降、
このウィルス、
この感染症、
この緊急事態に関する、
多くの情報に触れてきました。

テレビ、
ラジオ、
新聞、
雑誌、
著作・・・。

その中で、
この著書は、
圧倒的筆力を感じます。

この著作ほど、
的確で、
示唆に富んだものを知りません。

特に、
訳者が「宝石のような文章」と、
「訳者あとがき」に書いているように、
「著者あとがき」はとりわけて秀逸です。

それほどの著作です。
嘘だと思うなら・・・。


一か所だけ、
引用します。

  しかし、
  そんな暮らしもやがて終わりを迎える。
  そして、
  復興が始まるだろう。

  支配階級は、
  肩を叩きあって、
  互いの見事な対応ぶり、
  まじめな働きぶり、
  犠牲的行動を褒め讃えるだろう。
  自分が批判の的になりそうな危機が訪れると、
  権力者という輩(やから)はにわかに団結し、
  チームワークに目覚めるものだ。
  
  一方、
  僕らはきっとぼんやりしてしまって、
  とにかく一切をなかったことにしたがるに違いない。
  到来するのは闇夜のようでもあり、
  また忘却の始まりである。

  もしも、
  僕たちが、
  あえて今から、
  元に戻ってほしくないことについて考えない限りは、
  そうなってしまうはずだ。


最後に、
もう一か所。

    われらに、
    おのが日を数えることを教えて、
    知恵の心を得させてください。
        (「旧約聖書」詩篇第90篇)

  われわれに、
  おのが日を数えることを教えて、
  日々を価値あるものにさせてください、
  ・・・あれは、
  そういう祈りなのではないだろうか。

  苦痛な休憩時間としか思えないこんな日々も含めて、
  僕らは、
  人生のすべての日々を、
  価値あるものにする数え方を学ぶべきなのではないだろうか。


夕方になって、
西の空が明るくなって、
雨もほぼほぼ止みました。

【続・今日も雨音を聞きながら】2020・6・25
ページトップへ